プロ医学選手を目指す道のり

代えの利かない医師を目指す者のブログです

急性膵炎

急性膵炎について

二大原因:アルコール性、胆石性

どちらも膵酵素の活性化をもたらす。

酵素の活性化による炎症性サイトカインの波及により全身性の血管透過性亢進や腸管粘膜透過性亢進を惹起し、間質への水分の移動や腸間膜浮腫による著明な脱水が生じる。

∴絶飲食による更なる膵酵素分泌の抑制と急速な輸液による細胞外液脱水の補正を行う。

 

今日のメインはここから

NEJMの論文(Aggressive or Moderate Fluid Resuscitation in Acute Pancreatitis | NEJM)によれば、急速輸液と緩徐輸液でOUTCOMEには有意差が出なかった。それどころか輸液負荷のリスクが急速輸液では増すという結果も出た。

病態から考えると、輸液はどんどんした方が良さそうだが、そうとも限らないのがこの論文の面白さ。

好きこそものの上手なれ

今回はことわざをテーマとしてさせてもらいました。

よく「下手の横好き」なんて言葉も対義語として使われたりします。さて、今、「好きこそものの上手なれ」を体現している人と言えば大谷翔平選手や藤井聡太五冠が代表的だと思います。

彼らを見て人々は「天才だからあんなことが出来るんだ」とよく言います。

いわゆる、他の人にはできない、神がかり的な体の使い方、指し回しに対してそのような評価をするのだと思います。確かに、天才と思わされる部分があることは否定できません。しかし、それ以上に感嘆するのがその努力です。好きだからこそ、努力という重く苦しいニュアンスからかけ離れた「熱中」と表現すべき状態で努力を積み重ねているように感じられます。では、彼らはなぜ野球や将棋が好きになったのでしょうか?

本当の理由はわかりませんが、メディアの情報をもとに考えると、「他人より少し上手かった」など本当に些細なことがきっかけだったようです。

優越感を感じられるものほどモチベーションが上がりやすく、より打ち込むようになることで正のスパイラルが生じる。これは彼ら天才だけでなく誰にでも当てはまることだと思います。裏を返せば、現時点で劣等感を抱くものであっても、何とか踏みとどまって努力し他人よりも秀でるようになれれば、正のスパイラルに入っていけるのではないでしょうか。つまり、「下手の横好き」フェーズが存在すればそれは「好きこそものの上手なれ」フェーズへ転換するチャンスがあるということです。

私事ではありますが、元々心電図の読解が苦手でした。いまいちノイズと疾患による波形の違いがわからない、理屈を読んでもなんかしっくりこないといった理由によります。なんとか人並みになろうと少ししんどい期間を耐えて努力したことで、劣等感はなくなり、現在では心電図検定の受験を考えるほどになっていています。

同様に、最近では画像読影にも興味を持ち専門診療科選びに難渋するようになってきているのは嬉しい悩みです笑 初期研修では様々な科をローテートするわけですが、苦手であったり興味の無いものについても少し我慢して勉強してみることで、楽しむことが出来るようになると考えています。

これからもガッツを持って勉強していきたいです!!

今回はこの辺で、ほなさいなら~

 

備忘録

どうもelephantchameleonです!

今回は何かテーマがあるわけではなく、カンファレンス等で学んだことを記録する備忘録的な記事にしたいと思います。では、早速れっつらごー!

 

①いくつかの症状がある場合、その中で最も鑑別を絞りやすいものを主訴に据え直す。具体的には、移動性の腹痛、嘔吐、発熱だったら嘔吐や発熱に比して移動性の腹痛は鑑別疾患の数が最も少ない。よって、移動性の腹痛を主訴に据えて鑑別を考える。

 

②塞栓症のようなものによる症状が身体の一か所に見られたら、他の場所にも見られないか確認する。詰まった先はどこがおかしくなっても不思議ではないという考えによる。

 

③中毒と脳卒中による神経学的所見は異なる。前者は神経伝達物質への作用による自律神経症状が目立つ(特に散瞳/縮瞳、分泌物、においなどのトキシドローム)一方、後者は脳神経症状や粗大な麻痺が見られる。

 

結論、神経学的所見をとれるようになろう!(OSCEをちゃんとやらなかったツケが回ってきた…)

センスとは

今回のタイトルは センスとは です。

センスとは、英語で書けばsense、意味は感覚です。語源はラテン語のsentire(感じる)だそうです。

今回、「センスとは」というタイトルにしたのは、センスといういまいち正体のつかめないものを言い訳にしてしまっている自分がいることに気付いたからでした。

先週から遂に医師としてのお仕事が始まったのですが、その一つに手技があります。

昔から実技系の飲み込みが遅く、体育の授業でも家庭科の授業でも何か一つの技術を習得するのに極めて時間をかけていましたが、そのせいで誰かに迷惑をかけるということもなかったため、「自分は他の人に比べてセンスがないんだ」で済ませてしまっていました。しかし、社会人、ましてや医師となった今、手技の遅さは患者さんの不利益につながり得ります。

ここ数日、「センスのなさ」の原因を考えていたのですが、結局考えることから逃げているだけでは?という結論に至りました。そのヒントは上級医の先生方や研修医の先輩方からの「よく考えよう」「しっかりとしたイメージを持とう」というアドバイスにありました。これまで、実技系の技術を習得する際はとにかく猿真似しかしていませんでした。上手い人がやっているのと同じ形にすれば上手くいくはず。そう考えていたのです。

しかし、小学生がイチロー選手の打ち方を真似したからといってすぐにメジャーリーガーの球を打てるようになるはずがありません。一人一人体格は違う、感覚も違う。その中で他人より優れた結果を出すには、基本動作の原理を考え、それを自分に合った形に変えて表現する必要がある。そんな当たり前なことをセンスのせいにして怠っていたのです。

例えば、静脈路確保時の針刺入で内筒が刺さった後外筒を進めると逆血が止まってしまうのは、外筒が血管壁かを貫通したか内筒しか刺さっていないかのどちらかなわけで、どちらなのかを考えることでリカバリー方法も変わってくるわけです。

また、原理を考えることで、例外的なケースにも考えれば対応することが出来るようになるはずです。血管の見やすい患者さんもいればそうでない方もいるので、決まった条件下でしか手技が出来ないようではダメなわけです。

始めは猿真似から入っても良いかもしれませんが、その裏側にある理屈をしっかりと考えてあげること、そして今自分がどういう状態なのかイメージすることが出来れば、不器用さは変わらないとしても手技の飲み込みや安定感はもう少し出てくると思うのです。数をこなして上手くなるのではなく、頭で考えて上手くなり数をこなして熟達していくようになることを目標に頑張ります!

それではまた次回!ごきげんよう

 

お客様体質から抜け出そう

どうもこんばんは。elephantchameleonです。

 

遂に昨日から社会人スタートということで、朝遅刻しないよう昨晩は数か月ぶりに23時に床に就きました(それでも早くはない笑)。その甲斐あって今朝は7時過ぎに起床出来ました。やっぱり睡眠は大事ですね。大谷翔平選手も10時間以上眠るそうです。

 

さて、今日のタイトルは「お客様体質から抜け出そう」ですがこの「お客様体質」は一般的なニュアンスと異なります。

つい最近まで放送していた「ミステリと言う勿れ」というドラマに登場するのですが、お客様のように遠慮して周りの人間に素直に助けを求められないことを指します。

ではなぜこの言葉が浮かんだか。

今日、臨床研修担当の先生が、ご自身の体験談(これが結構面白かった)を踏まえて、「困ったときは必ず自分一人で抱え込まずに周囲の人に相談するように」という趣旨のお話をしてくださりました。

いくら右も左もわからない状態とは言え、周りに迷惑かなと思い相談や質問することをためらってしまうことはあると思います。自分自身、あまり人に頼ることが好きではなく、以前までは自分一人で何とか解決しようとしていました。しかし、それで失敗した方がかえって迷惑をかけることに気付いてからは少しでもわからないことがあれば積極的に人手を借りるようにしています。

でも、何でもかんでもオーディエンスの力を頼っていてはいけませんよね。お客様でもなく、ご主人様でもない「お兄さん体質?」になれるよう、今から(遅い!笑)少しずつ地力をつけていくことを誓うのでした。

プロ医学選手とは

はじめまして!

2022年4月から初期研修医になりますelephantchameleonと申します。

この名前の由来に関しては後々触れることとして、記念すべき初投稿は本ブログ名にもなっている「プロ医学選手」とは何なのかについて説明していきたいと思います。

 

昨年、初期臨床研修のマッチング結果が発表された後、医学部の後輩と話す機会がありました。後輩と私の共通の趣味がプロ野球だったこともあり、こんな会話になりました。

後輩「研修先の病院からドラフト1位指名されたんですか?笑」

自分「んなわけないっしょ笑 育成契約だから支配下目指すわ!」

もちろん発言内容は冗談ですが、医師免許を手にしたとしても医学部での勉強と実臨床はまた別物、これから覚えていかなければならないことは山ほどあると思ったのは事実です。アマチュアである医学生からプロである医師になりたい。

言い方は悪いかもしれませんが「医学で飯を食っていける」プロ医学選手になれるようコツコツやっていきたいなと思ったのです。

そして、その先には大谷翔平選手のように、「飯を食う」を超えて自分だけの専門分野を開拓したいと考えています。「好きだからどんどんのめりこんでしまう」領域に自然と達することが出来れば最高ですよね。

 

以上がプロ医学選手の意味でした!大した意味でなく拍子抜けするかもしれませんが、自分自身がもう少し成熟したらまたその意味合いも変わってくるかもしれません。

 

というわけで、プロ医学選手を目指す道のりで日々感じたことや考えたことを徒然なるままに書いていこうと思います!

 

それではまた次回!