プロ医学選手を目指す道のり

代えの利かない医師を目指す者のブログです

センスとは

今回のタイトルは センスとは です。

センスとは、英語で書けばsense、意味は感覚です。語源はラテン語のsentire(感じる)だそうです。

今回、「センスとは」というタイトルにしたのは、センスといういまいち正体のつかめないものを言い訳にしてしまっている自分がいることに気付いたからでした。

先週から遂に医師としてのお仕事が始まったのですが、その一つに手技があります。

昔から実技系の飲み込みが遅く、体育の授業でも家庭科の授業でも何か一つの技術を習得するのに極めて時間をかけていましたが、そのせいで誰かに迷惑をかけるということもなかったため、「自分は他の人に比べてセンスがないんだ」で済ませてしまっていました。しかし、社会人、ましてや医師となった今、手技の遅さは患者さんの不利益につながり得ります。

ここ数日、「センスのなさ」の原因を考えていたのですが、結局考えることから逃げているだけでは?という結論に至りました。そのヒントは上級医の先生方や研修医の先輩方からの「よく考えよう」「しっかりとしたイメージを持とう」というアドバイスにありました。これまで、実技系の技術を習得する際はとにかく猿真似しかしていませんでした。上手い人がやっているのと同じ形にすれば上手くいくはず。そう考えていたのです。

しかし、小学生がイチロー選手の打ち方を真似したからといってすぐにメジャーリーガーの球を打てるようになるはずがありません。一人一人体格は違う、感覚も違う。その中で他人より優れた結果を出すには、基本動作の原理を考え、それを自分に合った形に変えて表現する必要がある。そんな当たり前なことをセンスのせいにして怠っていたのです。

例えば、静脈路確保時の針刺入で内筒が刺さった後外筒を進めると逆血が止まってしまうのは、外筒が血管壁かを貫通したか内筒しか刺さっていないかのどちらかなわけで、どちらなのかを考えることでリカバリー方法も変わってくるわけです。

また、原理を考えることで、例外的なケースにも考えれば対応することが出来るようになるはずです。血管の見やすい患者さんもいればそうでない方もいるので、決まった条件下でしか手技が出来ないようではダメなわけです。

始めは猿真似から入っても良いかもしれませんが、その裏側にある理屈をしっかりと考えてあげること、そして今自分がどういう状態なのかイメージすることが出来れば、不器用さは変わらないとしても手技の飲み込みや安定感はもう少し出てくると思うのです。数をこなして上手くなるのではなく、頭で考えて上手くなり数をこなして熟達していくようになることを目標に頑張ります!

それではまた次回!ごきげんよう